あえ〜だ何だ言ったってここはタイ。洗練された高級リゾート・モルディブとは違うのであります。我々日本人が誰も知らないスモウ・レスラーがいたって不思議ではない。

スパイダーマン風

スパイダーマン風

やっちまった…。

目抜き通りの真ん中にありながら常に閑古鳥、しかしおじさんが感じ良さげだったので入ってみたレストラン。とんとご無沙汰な「チーズ」の文字にグッときて、チーズパンケーキを注文して出てきたのがこれ。口内の水分を吸いつくしそうなモソモソ加減。タイ人の適当さを明確に視覚化しているね!

やはりこういう洗練されてない系のレストランで、洋食を注文してはいけない。パンケーキくらい大丈夫だろうと甘く見てはいけない。

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どうせパンケーキならタイ風パンケーキにしよう。

通りを歩くと「ヨホー、ヨホー」とスイス風の掛け声。数あるパンケーキ屋の中でもここはおばちゃんの妙な掛け声でいつも人気です。インパクトの重点をおいて同業者を出し抜いた例です。
この手のパンケーキ屋は、バナナ、ハニー、チーズ、チーズとハム、チーズとツナ…どこも天文学的な数のメニューがあるのできっと理想の一品をお召し上がりになられることでしょう。

トマトチーズ卵、50B

トマトチーズ卵

30B〜から食べられて、脂っこいので結構腹持ちするから物価の高いこの島では貧乏旅行者の強い見方です。

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4冊ともこの調子なメニュー

全部書かなくても「下記から3つトッピング選べます」にしたら手間が省けるのではないだろうか。

中華系の旅行者には必ず、「一人で来たの????」と驚かれますが、一人リゾート、最高です。

オーシャンビュー独り占めな高級リゾート…の前のスペースにタオルを広げて陣取る。日本だったら「ここはうちのスペースなんで」と追い出されそうだけどタイじゃ誰も気にしない。そこにバーがあればビール1缶頼んで、Wifiパスワードを教えてもらえば、あくせく働いている同僚達に、嫌がらせ自慢写真を送ることも可能。

寝そべり、本を読み、気が向いたら海に浮き、寝そべって身体乾かし、はっと気がつくと

IMG_9921大体犬がそばにいる。

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囲まれたりもする。

タイにはやたら、どこの馬の骨とも知れない犬が多いのだ。野犬に噛まれる被害もあるが、大体ビーチにいるのは大丈夫。

そんなに孤独そうに見えるのだろうか?イタリア男みたいな気配り…いや彼らは何も考えてはいない。お互いしゃべることもないので、気楽な関係である。

トイレに行く必要もないので、1日じゅうずっとこんなことをしている。

ある日、ラテン系おっさんのそばに寝そべっていた時。

すぐ後ろにあったリゾートのあずま屋に、いかにも欧米人好きそーなタイ人おばちゃん数人がやって来た。近所なのか他の地方から来たのは定かではない。そのうちラテン系おっさんに話しかけ、リゾートのバーからビールを数本持ってきた。おっさんもだんだん楽しくなってきたようで一緒に泳ぎ始めちゃったり、だいぶ仲睦まじく過ごしていた。ちびろっくが一眠りして起きてもまだ酒盛りをしていたので、2,3時間は経っていたであろう。

そろそろ帰るか、という雰囲気になって、バーの兄さんが伝票を持ってきた。タイおばちゃんは至極当然のようにおっさんに手渡した。缶の数を見ると20は余裕で越えてた。一缶70バーツだから…。おっさん、「アイム・プア〜〜〜〜」と叫びながらしぶしぶ払い、意気消沈しながらなぜかそれでもタイおばちゃん達とどこかへ消えていった。

タイだなあ。

このゆるさにハマる人は多い。

バルセロナ出身のバーテン兄さんは、ここに来て5年。
時々帰るの?と聞くと、「一度も帰ってない!」。友達も家族も時々来るから、帰る必要もない、とのこと。もうここがホームのようだ。

ステイツの退役軍人の飲んだくれ爺さん、ジョンは、バンコクに住んで3年。
アジアが大好きで、フロリダのトレーラー生活をやめてバンコクに越してきたとのこと。
別に帰りたいとも思ってないらしいが、「ヒラリーが大統領になったら一生帰らない」と言い切った。

ジャーマン・シェパードがいかに賢いかを熱く語る彼は、鼻水出っぱなしだったけど、心っからこの生活を楽しんでいるようであった。

元海兵隊員

元海兵隊員

もう何度も何度も来て、あの大地震の時もタイにいたおかげで混乱期を免れて、移住も考えてやっぱやめて、もういい加減飽きたなあと思いつつもまた来ちゃうタイ。

モルディブだタヒチだに心底憧れつつも、結局、ツッコミどころと適当さを保ち、完璧なリゾートになり得ないタイが一番好きなんだろなと思います。

次回、中華人のすさまじきパワーをご紹介。

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